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【夫婦ふたり、子どもなし】そのままだと大変?兄弟姉妹まで相続が及ぶ前に、今すぐ考えたい「遺言」のこと

子どもがいない夫婦の場合、相続人は誰になる?

たとえば、あるご夫婦・仮名で鈴木幸子さん(78歳)と夫の一郎さん(82歳)は、結婚して50年以上、子どもには恵まれなかったものの、仲良く暮らしてこられました。

しかし最近、一郎さんの体調が優れず、幸子さんは将来が不安になってご相談に来られました。

民法では、配偶者は常に相続人となりますが、子どもがいない場合、次に相続人になるのは「夫の兄弟姉妹や甥・姪」です。

「えっ、私がずっと支えてきたのに、会ったこともない親戚に財産がいくの?」

 

このように驚かれる方はとても多いのです。

 

相続手続きは想像以上に複雑。しかも、会ったことのない人に連絡を取ることも…

相続の手続きでは、相続人全員の同意が必要になる場面が多々あります。

もし夫の兄弟姉妹がすでに亡くなっていれば、その子ども(甥・姪)が相続人になります。

そして問題はここから。
「どこに住んでいるかも分からない」「連絡先が分からない」「音信不通」——

 

それでも、不動産の名義変更や預金の解約には全員の実印と印鑑証明が必要になるのです。相続手続きが進まず、資産が宙に浮いてしまうことも…。

 

解決のカギは「遺言書」。自分の想いをきちんと形に

幸子さんご夫婦のように、子どもがいないご家庭では、早めに遺言書を作成することで、ほとんどのトラブルを防ぐことができます。

遺言書があれば、配偶者に全てを相続させることも可能ですし、「この人に残したい」という意思をはっきりと示すことができます。

 

また、法的に有効な遺言書(公正証書遺言など)を準備しておけば、手続きもスムーズに進み、ご自身が亡くなったあと、配偶者が安心して暮らしていける環境を残すことができます。

 

まとめ:子どもがいない夫婦こそ、遺言の準備が必須です

65歳を過ぎたら、「まだ元気だから大丈夫」と思わず、ぜひ一度、ご夫婦で相続について話し合ってみてください。

子どもがいないご夫婦の場合、相続は兄弟姉妹や甥姪にまで及び、手続きが複雑化する可能性があります。

ですが、遺言書を用意することで、自分の思いを形にし、大切な人に安心を残すことができます。

 

将来の不安を少しでも軽くするために、まずは専門家に相談してみませんか?